2012年 06月 12日
「国際ヘリテージローズ会議2012・佐倉」
5月31日(木)から4日間、千葉県佐倉市で
開催されました国際ヘリテージローズ会議2012
に参加して参りました。
ヘリテージローズとは、古くから愛されてきた
オールドガーデンローズや世界の野生種
といった、人類の遺産として後世に伝えるべき
バラのことです。
この会議では、各国からバラの研究者や
愛好家が集い、ヘリテージローズについての
最新の研究報告や保存の為の情報交換等が
行われました。
毎回3年毎に開催され、昨年が日本での
開催年でありましたが、震災の為、急遽今年へ
延期となりました。
ご挨拶される実行委員長の前原(草笛の丘ばら園)園長先生
午前は毎日、興味深いレクチャーが行われました。
会場は国立歴史民俗博物館。午後はここからバスでDayツアーに出掛けました。
31日の午後は、草笛の丘ばら園にて、ウェルカムパーティーが開催されました。
ボランティアの方々がご用意して下さったお花やお料理の数々。
どれも美味しく、お心のこもったものばかりでした。
夕暮れのバラに囲まれた会場、素敵でした。
夜宿泊した「ウィシュトンホテル・ユーカリ」。
ホテルに飾られていた生花も素敵でした。
次の日の午後は、「貝殻邸」でお弁当を頂き、ガーデンを散策しました。
Dayツアー先の「京成バラ園」では、満開のバラが咲き誇る園内を、
原種のバラのコーナーから見て回りました。
「ロサ・モエシー・ハイダウンネンシス」
また翌日の訪問先、「日本サーナ」さんでは、ウェルカムランチ、
チェロの生演奏、ハーブ園見学等、素敵なおもてなしをして下さいました。
その後、国指定文化財「旧堀田邸」(明治23年・1890年竣工)を
見学し、普段は非公開の書斎棟の襖の意匠に、薔薇と菖蒲が施されているのを
皆さんと見つけた時は、本当に感動して興奮してしまいました。
「旧・堀田邸」外観
ご一緒させて頂いた方々が何しろもの凄く、バラや植物にお詳しい方ばかり
でしたので、大変楽しく勉強になりました。
最後の日は、DIC川村記念美術館を見学し、もう一度「草笛の丘・ばら園」へ行き
バラを鑑賞致しました。
「ヘルガー・ブリシエ」と名付けられたバラとご一緒に写真に写っているのは、
まさにヘルガー・ブリシエさんご本人。こちらの新しく出来たチャイナローズ
のコーナーは、このヘルガー・ブリシエさんが、たくさん苗を寄贈して下さって
出来たコーナーだそうです。
「ヘルガー、君のバラここにあるよ。」と呼ばれ、バラに近づいて行かれた時の
ヘルガーさんのお顔、とても嬉しそうでした。
この日もボランティアの方が、お菓子を焼いてお茶の準備をして下さいました。
国際ヘリテージローズ会議2012・佐倉・開催記念講演:
オディール・マスクリエ
「バラで満たされた古都リヨンの邸宅 ラ・ボンヌ・メゾンの暮らし」
ジェラルド・メイラン
「オールドローズとモダンローズの幸せな結婚」
講義:
①ヴィル・ヴィララガヴァン(インド)
「環境にやさしいバラ栽培〜インドの夢」
②岡木健太郎(日本)
「日本の野生バラの香り」
③趙世偉(中国)
「美しいバラを薬用・食用にも?
--中国のヘリテージローズの重要性--」
④大場秀章(日本)
「テリハノイバラの学名について」
⑤イングリット・フェルデゲム(ベルギー)
「C・G・レーシッヒのバラの本、『写実的描写のバラ画集(植物学的解説付き)』」
⑥グレッグ・ラウアリー(アメリカ合衆国)
「ロサ・セティゲラ、大草原のつるバラ」
⑦王国良
「宋代の中国のバラの分類と同定について」
⑧ヘルガ・ブリシェ(イタリア)
「野生種の使用に情熱を注いだ育種家〜ゲシュヴィントとレンス」
⑨ピーター・ボイド(イギリス)
「ロサ・スピノシシマ:先史時代から現代にいたるその自然史と人々との関わり」
⑩ダイ・ダーストン(オーストラリア)
「歴史に残るティーローズと現代における品種保存の重要性」
⑪サリー・アリスン(ニュージーランド)
「ニュージーランドでもバラを栽培しています」
⑫クレア・マーティン(アメリカ合衆国)
「公共バラ園における歴史上重要なバラの保存:その成果と難題」
講演の合間のティータイムに、中国からいらした趙世偉先生がご用意して
下さった「ロサ・ルブスブルギー」のローズヒップの砂糖漬けを頂きました。
とても大きく、美味しかったです。
インドからいらしたヴィル・ヴィララガヴァン先生ご夫妻と。
「草笛の丘・バラ園」には、先生ご夫妻が作出されたインドのバラのコーナーも
あります。
大変有意義な4日間を過ごさせて頂きました。長い間、ご準備なさってこられた
皆様や先生方、初めてお会い出来ました皆様やお世話になりました皆様には、
心より感謝申し上げます。
お土産もたくさん頂きました。
メールアドレス salonderoses2@excite.co.jp